このブログの内容
- FMFについて
- ジュニアフェローとしてのトレーニング
2015年から2017年にかけてFMF(イギリス)でのフェローシップを受けてきましたのでそのことについて書きたいと思います。
今日は、何もわからず不安な日々を過ごしたジュニアフェローについてです。
FMFはイギリスのチャリティ団体であり、キプロス・ニコライデスという胎児診療に関わっているひとならだれでも知っているような教授が設立しました。
因みに、ニコライデスに関してはNetflixで「外科医は挑む ―革新と情熱の医療最前線-」で紹介されています。
FMFでは毎年、世界中から胎児診療を学びたいと思っている医師が集まり、日々、研修を受けています。
研修の大半は超音波検査や、妊婦さんへのカウンセリングなどに費やされます。
そして、胎児治療も多く行っており、見学も多くすることができました。
また、大学病院での研修となりますので、胎児診療だけではなく産科部門とのコミュニケーションも必要となる時があります。
そのようななかで、イギリスの周産期システムに触れることができたことは自分にとって、大きな学びでした。
世界中から集まった医師の多くは2年間の研修を終えると自国に帰り、それぞれの母国で胎児診療を行っています。
海外の国際学会で発表をされている著明な教授たちが、じつはFMFの卒業生だったりすることがよくあります。
そのようなとき、FMFが世界中の周産期医療に影響を与えていることを実感し、そのようなところでトレーニングを受けられたことに誇りを感じます。
実際の研修では、最初はジュニアフェロー(ジュニア)と呼ばれるポジションからスタートします。
ジュニアは必ずシニアフェロー(シニア)と呼ばれる先輩フェローと一緒に検査に入ります。
シニアが後ろについた状態で、ジュニアから胎児超音波検査を開始します。
その後、シニアと交代して、最後まで検査を行い、検査終了となります。
ジュニアは検査中や検査後にシニアから、アドバイスをもらいます。
具体的な内容としては、どのような画像が好ましいか、自分が撮影した画像のどこを修正すべきか等、技術的なことがらについてのアドバイスがあります。
また、胎児所見があったときなどは、コンサルタントと呼ばれる、部門のスタッフが妊婦さんに対して胎児の状態について説明とカウンセリングを行います。
そのカウンセリングに毎回、陪席をさせてもらえたことは貴重な体験でした。
ジュニアの時にシニアから言われて、今でも考えていることに「Good pictureをとりなさい」ということでした。
今考えれば、「良い画像」ってビッグワードだなと思うのですが、どういう意図でみんな言っていたのかなと今でも考え続けています。
Good pictureについてもいつかブログで書きたいと思います。
そうこうして、トレーニングの日々を過ごし、超音波検査もそこそこできるようになってくると、シニアフェローになりましょうということになります。
シニアフェローになるには、コンサルタントに部屋に来てもらって、自分の超音波検査を診てもらうことで、これなら良いよというお墨付きをもらうことでなるはずでした。
が、私の場合はその時に人が足りず、そんな試験もなく、来週からシニアとして、この部屋に行ってこいということで、なし崩し的にシニアフェローとなることができました。
次回はシニアフェローについて書きたいと思います。
新宿南口レディースクリニック 院長 市田 知之





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