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出生前診断のハイリスク・ローリスクとは?

出生前診断の結果を正しく理解する為に

1)スクリーニングと診断的検査

出生前診断を受ける際にまず頭に理解しておくべきことは、その検査がスクリーニングのための検査であるのか、診断的検査であるのかです。

スクリーニング検査

スクリーニング検査という単語は日常的に使われていますが、これは特に健康で症状のない人たちの中から、知りたい病気や状態にとってリスクの高い人を見つける目的で行われる検査です。

例えば、人間ドックなどで行われる胸のレントゲン撮影も肺癌などの病気を早期発見するためのスクリーニングといえます。

出生前診断において、染色体異常のスクリーニングに当たるものは母体年齢、クアトロ検査、NT、コンバインドテスト、非侵襲的出生前検査(NIPT)などがあたります。

それぞれの精度には大きな違いがあり、特にNIPTは非常に精度の高い検査ですが、あくまでもスクリーニング検査です。

診断的検査

一方、羊水中の胎児細胞や胎盤の細胞から染色体検査を行う、羊水検査や絨毛検査は診断の為に行う検査であり、スクリーニングとは明確に区別される必要があります。

2)スクリーニングの精度

上に述べたように、染色体異常のスクリーニングにはいくつか方法があり、それぞれ精度が異なります。

下の表1にそれぞれのスクリーニングに於ける感度とその時の偽陽性率をまとめています。

感度とは、正確に疾患を持っている患者を検出するテストの能力のことを表しています。

従って、以下の表を見るとダウン症候群のスクリーニングに関して、NIPTがベストな検査であることがわかります。

【表1】

感度 偽陽性率
母体年齢 30% 5%
クアトロ検査(妊娠中機) 70% 5%
母体年齢+ NT 80% 5%
母体年齢+NT+PAPP-A,hCG-β
(コンバインドテスト)
90% 5%
母体年齢+NT+PAPP-A,hCG-β
+鼻骨、三尖弁逆流、静脈管血流
(コンバインドテストプラス)
93% 3%
非侵襲的出生前検査(NIPT) 99% 0.1%

表1:ダウン症候群に対するスクリーニングの精度

3)NIPT VS. コンバインドテスト

では出生前診断としてNIPTをすべての妊婦さんに提供すべきなのでしょうか。

まず、NIPTで医学的な根拠をもとに対象として適切な状態は、以下の3つです。

  • ダウン症候群(トリソミー21)
  • トリソミー18
  • トリソミー13

先天性疾患の項で述べているようにそれらは先天性疾患のうちの1部でしかありません。

妊婦さんが出生前診断を望む理由は、赤ちゃんの全体的な健康を心配しているからだと思います。

一部の情報のみが得られるNIPTでは胎児検診としては不十分である可能性があります。

NIPT検査は費用が高額

また、日本のNIPT検査の問題点として費用が高額であることが挙げられます。

一般的に20万円前後で提供されています。

コンバインドテストは赤ちゃんの観察もできます

コンバインドテストの利点は、費用だけでなく超音波検査で胎児の観察も行います。

妊娠初期超音波の適切なトレーニングを受けた検査技師が、定められたプロトコール通りに超音波検査を行うことで、妊娠初期に解剖学的異常を検出する精度が上がると言われています。

ところで、日本の産婦人科施設でもコンバインドテストを提供する施設が増えてきています。

一方、解剖学的な評価に関しては、それぞれの施設基準で行われており、妊娠初期の解剖学的異常の検出率には施設間の差があると考えられます。

4)コンバインドテストの精度及び、ハイリスク・ローリスクについて

コンバインドテストに関して、超音波で観察する機会があることと、費用の面でNIPTと比較して有利であることを理解していただけたかもしれません。

では精度に関してはどうなんだという疑問が湧くと思います。そこで、以下のような2X2の対応表を考えてみます。

疾患あり 疾患なし
テスト陽性 真の陽性 偽陽性
テスト陰性 偽陰性 真の陰性

ダウン症の赤ちゃんを妊娠する割合が1000人に1人である集団を仮定します。

つまり10万人の妊婦さんがいれば100人の妊婦さんがダウン症の赤ちゃんを妊娠しているはずです。

コンバインドテストはダウン症に関しては、偽陽性率が5%の時の、感度(検出率)が90%でしたので、表2のように表されます。

【表2】

ダウン症あり
(n=100)
ダウン症なし
(n=99900)
合計
テスト陽性 90人 4995人 5085人
テスト陰性 10人 94905人 94915人
合計 100人 99900人 100000人

表2:仮定された集団でのコンバインドテスト結果

ここでのテスト陽性、陰性はコンバインドテストではそれぞれハイリスク、ローリスクと表現されます。

ちなみに、コンバインドテストをデザインしたイギリスのFetal Medicine Foundationではハイリスクとローリスクを分けるカットオフ値を、検査実施時での染色体異常のリスクで、1/100と決めています。

これは同じ結果になった赤ちゃんが100人いた場合、そのうちの1人に染色体異常があるということを意味しています。

従って、コンバインドテストの結果が1/100以上であればハイリスク、未満であればローリスクとなります。

5)コンバインドテストの結果はどれだけ確かなのか?(陽性的中率と陰性的中率)

実際の診察で妊婦さんや医療者が気になることは、出生前診断の結果がどれだけ正しいのか、つまりコンバインドテスト陽性(もしくは陰性)と出た場合、実際に赤ちゃんに染色体異常がある(もしくは無い)可能性はどれだけあるのかということです。

的中率について

それらを統計学的にそれぞれ陽性的中率、陰性的中率といいます。表2から陽性的中率は、

(テスト陽性となったダウン症の人数)➗(テスト陽性となった合計人数)=90/5085= 1.7%

となり、陰性的中率は

(テスト陰性かつダウン症では無い人数)➗(テスト陰性となった合計人数)
=94905/94915=99.98%

となります。

ここでは1000の妊娠に1人のダウン症児が生まれることを仮定していますが、これは凡そ25歳女性の年齢から計算されるリスクと同じです。

一方で、高齢妊娠と言われる41歳くらいでの年齢によるリスクは1/50くらいですが、もし仮にダウン症の赤ちゃんを妊娠する割合が50人に1人である集団を仮定した場合、同様の計算を行うと陽性的中率は26.8%、陰性的中率は99.7%となります。

コンバインドテストは染色体異常の除外に有用です

コンバインドテストの特徴として、陰性的中率は高いけれども、陽性的中立はハイリスクの集団であってもそれほど高く無いことがわかります。

つまり、コンバインドテストは対象としている染色体異常を除外する目的で行うのに適しているといえます。

ところで、正確に疾患を検出する検査の能力である感度は、コンバインドテストでは90%としましたが、これはカットオフ値を1/100とした場合です。

例えば、カットオフ値を1/500に設定した場合はより多くの染色体異常を持つ胎児を検出できます(感度が上がります)が、その一方で、偽陽性率も増えます。

診断的な検査による合併症などを考えると、リスクが1/500以上の妊婦さん全員に対して診断的な検査を提供することはあまり賢い方法とはいえないかもしれません。

私が胎児診療を研修したHarris Birthright Centerではリスクが1/100から1/500の結果を中間リスクと表現し、そのようなリスク結果の妊婦さんに対してNIPTを提供していました。

図1にそのフローチャートを示します。このような流れで、妊婦さん全員に超音波検査での解剖学的評価を提供し、かつ、精度の高い染色体異常に対するスクリーニングも提供することができていました。

NIPTの技術は革新的なものです。その一方で対象となる状態は限定的であり値段も高額です。

出生前診断を望む妊婦さんへの費用負担を軽くし、より多くの情報を得ることが適切なマタニティケアには必要であると考えています。

当クリニックでは同様のフローチャートを参考に診療をしていきたいと考えています。

コンバインドテスト結果

図1:コンバインド検査結果によるリスク別フローチャート

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