こんにちは。新宿南口レディースクリニックの院長です。
妊娠中は、お母さんの健康状態が赤ちゃんの成長や分娩経過にも関わるため、早い段階での健康チェックがとても大切です。
今回は、妊娠高血圧腎症(子癇前症)という病気と、当院で行っている妊娠初期のリスク評価に関する取り組みについてご紹介いたします。
子癇前症(PE)とは?
妊娠中期以降にみられる高血圧やタンパク尿などの症状を特徴とする病気で、妊婦さんと赤ちゃんの健康に影響を及ぼすことがあります。
世界的には、一定の割合の妊婦さんがこの病気を経験すると言われており、母体や胎児の安全を守るために、早期からの観察や対応が注目されています。
妊娠初期のリスク評価とは?
近年、国際的に妊娠初期の血圧測定や血液検査、超音波検査などを組み合わせることで、妊娠高血圧腎症のリスクを早い段階で評価する取り組みが行われています。
当院でも、このようなリスク評価に基づく妊婦健診の一環として、妊娠11週から13週にかけての検査を実施しています。
リスク評価の要素には、以下のような情報が含まれます
- お母さんの年齢や体格、妊娠歴、基礎疾患などの情報
- 血圧測定(平均動脈圧)
- 血液中のマーカー
- 超音波による子宮動脈の血流測定(ドップラー法)
これらをもとに総合的に判断することで、必要に応じた管理方法を一緒に考えることが可能になります。
妊娠初期からの対策が検討されている背景
これまでの研究の中には、妊娠初期に医師と相談のうえ、低用量のアスピリンを用いた予防的対応を行ったグループで、一定の妊娠合併症の発症率が低下したという報告があります。
ただし、すべての方に該当するわけではなく、あくまで医師による個別の判断が必要です。服用の必要性や時期については、必ずご相談のうえで決定いたします。
当院での取り組みについて
当院では、国際的な研究などを参考にしながら、妊娠初期にご自身の体の状態を客観的に把握していただくことを目的とした検査を実施しております。
この取り組みは診断や治療を行うものではなく、あくまで情報提供と予防的な視点からのサポートを目的としています。
該当する方には、今後の妊娠経過について医師とともに計画を立てていくお手伝いをしています。
最後に
妊娠中は、変化の大きな時期です。早い段階でご自身の体のことを知っておくことは、安心して妊娠生活を送る一助になります。
妊娠高血圧腎症のリスク評価に関する検査の詳細は、お気軽にスタッフまでおたずねください。
新宿南口レディースクリニック 院長 市田 知之






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